こんにちは!susken(@sustaina_ken)です。
全世界で1000万部以上販売され、ジョフべゾフを始めとするAmazonの経営陣が参考にし、日本では17年間出版されていなかった世界的ベストセラー本、ザ・ゴール(コミック版)の要約を投稿します。
生産の全体最適について、体系的にまとめられた本書。最初に読んだとき、衝撃はものすごいものでした。
本書は製造業を例にストーリーが展開されていますが、本書の考え方はソフトウェアの販売といったIT系にも応用が効く、良書ですので、まだ読んだことのない方はすごくオススメです!
目次
こんな方にオススメ!
- 生産ラインが成熟したものの、より生産的な生産ラインに改善したいと考えている方
- 生産的な組織マネジメントに取り組まれている方、取り組もうと思っている方
- 部分最適ではなく全体最適について再考したい方
Point!!
- 企業の目標(=ザ・ゴール)は”お金を儲けること”である
- 目標達成のために”スループット”を上げ、”在庫”と”業務費用”を下げることが重要である
- ”スループット”を上げ、”在庫”と”業務費用”を下げるためには、生産ラインのボトルネックを特定し、ボトルネックの改善とボトルネックに合わせた納品期間の見直し(短縮)を行う
学び
フレームワーク
本書のPointをスライド1枚にまとめると上図のとおりです。
次に、本書で紹介される言葉の定義についてまとめます。
言葉の定義
スループットでは、お金を作り出す割合と述べていますが、これは
(販売出来た製品の総額) / (生産した製品の総額)
になります。そして在庫とは、仕掛り品などを指し、業務費用は人件費などを指します。本書では、在庫・業務費用を売れるもの(=在庫)、売れないもの(業務費用)とも述べていました。
最後に、ボトルネックとはそこで滞留が発生する場所と言い換えることが出来ます。
”スループット”を上げ、”在庫”と”業務費用”を下げる とは
では、各言葉の定義を抑えたところで、”スループット”を上げ、”在庫”と”業務費用”を下げる とは何を意味するか噛み砕いていきます。
スループットを上げるとは、割合が上がるということ。つまり、
市場の需要(注文数) ≒ 生産量
を目標にするということです。言われてみれば、当たり前のことですが『そんな簡単に出来ない』と思う部分でもあります。
次に、”在庫”と”業務費用”を下げることについて考えます。
在庫を下げるということは、限りなく仕掛り品を少なくすることです。業務費用を下げるということは、限りなく人件費を抑えること。と言えます。
これも言われてみれば当たり前のことですが、『そんな簡単に出来ない』と思う部分ですね。。
ボトルネックを改善することで、何が起こるのか
本書のすごいところは、ここからスループットを上げる方法を具体的に書いているところです。そのキーワードがボトルネックになります。
ボトルネックは生産ラインの中で滞留しているところ。他の生産速度より遅いため、そこで仕掛り品がとまってしまうはずです。
ですので、まず行うことはボトルネックの生産性を可能な限り上げるために、
- 無駄を徹底的に減らすこと
- 負担を減らすこと
を実施することです。これによってボトルネックの生産性が最大化されます。
次に、生産性が向上したボトルネックの処理速度をベースに、必要な仕掛り品・在庫の量を再調整します。今まではボトルネックで滞留していたため多くの仕掛り品(在庫)があった状態が、これにより最小化されます。
また、生産ラインで過剰な仕掛り品を生み出していたはずなため、その分の仕事(人件費)を別の仕事に回すことで業務費用を最小化します。
ここまで到達した状態が、工場の生産性が最大化した状態です。
しかし、ここで忘れてはいけないことがあります。
それは、
工場の生産性が最大化する≠スループットが上がる
ということです。あくまで目指すことはスループットを上げること。
ですが、ここまで到達している時点で生産性が最大化しているため、今までよりも短納期の注文に対応できるようになっているはずです。
つまり、市場の細かな需要変化(注文の変化)にも柔軟に対応できるため、結果としてスループットが上がるようになります。
実践しながら感じていること:言い訳できない!
私の業務は製造ではありませんが、ボトルネックを改善する考え方は応用できると思い、自分たちのチームでも試行錯誤を行っています。
この方法では今まで『外的要因による変動が多くて』と言い訳していたことが、いい意味で出来なくなります。その一方で、何が課題か明確に出来ることが本当に本書の良いところです。
別のビジネス書も本書をベースに考え直してみると新たな気づきが得られ、肉付けされることもあり、本当に本質的なシンプルな原則を学べる良書だと実感しています。
最後まで読んでいただき有難うございます。
本書が17年間、日本で販売されなかった理由は
「日本人は、部分最適の改善にかけては世界で超一級だ。その日本人に『ザ・ゴール』に書いたような全体最適化の手法を教えてしまったら、貿易摩擦が再燃して世界経済が大混乱に陥る」
という作者の考えからだそうです。
その理由を聞いた時、私は「今の日本は大したことない」と言われているようで、すごく悔しい気持ちになりました。(偏屈かもしれませんが(^_^;))
それが要約をした一番の理由というわけではありませんが、『今に見てろよ』って気持ちも込めつつ気合い入れてまとめてみました(笑)
少しでも皆さまの役に立てたら嬉しい限りです。
ではでは、本日も素敵な一日になりますように。