おはようございます!susken(@sustaina_ken)です。
本日は脱炭素を実現する上で避けては通れない、Scopeについて投稿させていただきます。
Scopeという考えを初めて聞いた方、聞いたことはあるけど現状についてもう一歩深く知りたい方向けにまとめてみましたので、気候変動に関わる方の一助となれば幸いです!
目次
Scopeって?1,2,3で何が違うの??
Scopeとは & サプライチェーンの意味
Scopeを考える前に覚えておくキーワードとしてサプライチェーンという言葉があります。
この調達から販売までの一連の長れを上流から下流にかけてScope1〜3に分けており、その範囲を指す言葉がScope1,2,3になります。そして、
を指します。
Scope1,2,3、それぞれの定義(範囲)とは?
環境省にて公開されているScope1〜3の定義は上図のとおりです。
文章で定義すると
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3:Scope1,2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
になります。
更にScope3はより細かな15のカテゴリに分かれており各カテゴリは以下の通りになっています。
脱炭素に世界・日本の動き、現状
2020年7月、Appleがすべてのサプライチェーンにおけるカーボンニュートラル実現を宣言した
脱炭素の動きが日本では加速していなかったこの頃、他社に先駆けAppleが2030年までにScope3も含めた※カーボンニュートラルの宣言を行い話題を集めました。
※カーボンニュートラル・・事業活動における温室効果ガスを相殺すること
アップル、「サプライチェーンまで 100%再エネ」、2030年までに実現
同サイトより引用
これによりAppleのグループ会社問わず、すべての関係会社は2030年までに温室効果ガスの相殺できなければAppleとの取引を取り消される可能性が出てきました。
2020年10月、菅前首相によるカーボンニュートラル宣言
一方、日本では2020年10月に誕生した菅政権の最初の所信表明演説にて、「我が国は2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします」と発表、この発表を機に急速に脱炭素の動きが加速しました。
2021年10月、第6次エネルギー基本計画が閣議決定
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、避けて通れない課題が日本のエネルギー源です。2030年のエネルギー構成比を考える第6次エネルギー基本計画により、つぎのような電力構成が目標とりました(図の一番右)。
イオン、国内イオンモール全店を2025年までに100%再エネ化へ
日本企業の動きとしては、2021年7月、イオンモールが2025年までに全店を100%再エネ化すると宣言しました。それだけでなく、セイコーエプソンは日本最速で電力100%再エネ化を達成したり、ローソンは約3600店舗で再エネを導入したりと活発になってきています。
2020年12月より警鐘をならす自工会会長、豊田章男氏
菅前首相のカーボンニュートラル宣言時から、警鐘をならしているのが自工会会長の豊田章男氏です。
豊田章男氏は、日本のエネルギー源が化石燃料である以上、脱炭素を実現しようとした場合、最悪のケース、国外工場で生産をしなければいけなくなる。そうすると、日本の雇用の問題にも直結してしまうと述べています。
※上記リンクには会見の全文が記載されています。豊田章男氏がこの会見前に多くのシミュレーションを重ねた上で発言されていることが伝わる内容ですので、ご興味ある方は一読することをオススメいたします
■脱炭素の焦点はScope3
すでにお気づきの方もいるかもしれませんが、
Scope1,2は自社でハンドリング出来る(太陽光パネルの設置、自然エネルギーによる電力供給など)ため自社努力により削減することが可能です。
ですが、一筋縄ではいかない排出量がScope3です。
Scope3は他社から排出される温室効果ガスも含まれます。よって、Scope3の数値を削減しようと思ったら他社に対して、「温室効果ガスを削減してください」とお願いしないといけないわけです。
急にそのようなお願いが出来るでしょうか。「2030年までにお願いします!」と言うことですら大変勇気が伴うと思います。
このScope3をどうやって削減していくか。2022年1月現在では、ここの打開策を模索しているのが現状と言えるでしょう。
もし2030年までのどこかで、どの企業もカーボンニュートラルを達成していれば、Scope3も気にすることはなくなります。なぜなら、自社のScope1,2は他社から見た場合、Scope3に当たるため、どの企業もScope1,2でカーボンニュートラルを実現していた場合は、排出量が0になるからです。
そんな未来を実現するにはどうするか、企業も行政もNPOもまさにSDGsの”パートナーシップで目標を達成しよう”の考えに基づいて、一致団結して取り組めたらと思います。
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長文を読んでいただき有難うございました。
ではでは本日も素敵な一日になりますように。