おはようございます!susken(@sustaina_ken)です。
本日は、2018年、デロイトの戦略コンサルティング部門であるモニターデロイトより書かれた「SDGsが問いかける経営の未来」の要約を投稿します。発売から3年経過していますが、SDGs関連のビジネス書の中で最も売れている本とのことです。
こんな方におすすめ!
- SDGsという言葉は知っているがビジネスとの関係を知りたい方
- SDGsを仕事へ積極的に取り込みたいと考えている方
point!!
- CSR(企業の社会的責任)として扱われることの多かった社会課題は、自社の存続にも直結する経営課題へと変化し、企業もSDGsを意識して取り組む必要性が高まってきている
- SDGsが企業に投げかける問いとは
経済活動による社会課題の発生をいかに抑制し、逆にいかにして社会・環境配慮を経済合理性につなげるか
である - SDGsに取り組む上で、中長期が意味する期間や、配慮するステークホルダーの範囲を従来の”三方良し”より広義に再定義する必要がある
学び
SDGsが経営に求められる理由
今までもCSRやCSVといったキーワードがあった中で、なぜSDGsはここまで経営上求められるキーワードとなっているのでしょうか。
本書では、その理由として主に以下の2点を挙げています。
- エネルギーのために消費する化石燃料のように短期的な経済成長を求めた結果、長期的な経済成長が期待できないビジネスモデルになっている
- 企業としても気候変動や水危機など、社会貢献で対処できるレベルを超え、自社にも影響する”経営課題(=社会課題)”という認識が高まってきた
SDGsは現在の社会が直面する課題をGOALとしてわかりやすく示しています。CSRやCSVと言われていた頃とは異なる危機意識がSDGsをビジネス上求められるキーワードとして後押ししているのかもしれません。
SDGsが求める新たな考え
では、SDGsが経営に求めること、企業が求められていることは何でしょうか。
1. SDGsを土台として捉える
本書では企業がSDGsを理解する際、従来は攻めと守りの2つから理解すると述べています。その上で新たな理解として”土台”を提案しています。
引用:コロナ復興の土台にSDGs 広報で企業の存在意義を指し示す
土台とは自社の持続可能性だけでなく、”自然資本や人的資本の持続可能性を確保できるか”というこれまでの経済モデルの持続可能性のこと。本書ではこの視点を持ちながら経営を行うことで、SDGsを自ら進んで取り組む経営課題と捉えることが出来ると述べています。
2. ”三方良し”をより広義に再定義する
CSVが広まったとき、日本では古くから用いられていた”三方良し”という言葉が多く引用され「いままで三方良しを実践してきた弊社はCSVを実践している」と答える企業が一定数いました。
SDGsが求める経営も”三方良し”の考えと類似するところが多いですが、”三方良し”がもともと意味するよりも広義に理解する必要があると本書では述べています。具体的には、
- 売り手=自社 ⇒ 売り手=子会社、グループ会社、サプライチェーンの上流の取引先の取引先
- 現在の良し ⇒ 未来まで考えても良し
- 世間 ⇒ 売り手と書いて以外の人々に加え”社会”や”地球環境”をより具体的に捉える
の3点です。このように提示されると、SDGsが求めている経営は従来の”三方良し”とは異なると実感いただけるのではないでしょうか。
3. 中長期を3年〜5年ではなく、10年〜20年に再定義する
中長期と聞くと、何年後を考えるでしょうか。
日本企業の多くは中長期=3年〜5年と捉えることが一般的です。しかし、SDGsが目指すGOALは3年〜5年で解決できるような社会課題ではありません。そのため、SDGsを経営に取り入れることは、2030年の自社計画、場合によってはその先まで見据えた計画を建てる必要があります。
本書ではVUCAと言われる短期計画すら計画通りに進まない現状を踏まえて※Zoom out Zoom inアプローチを提案していました。
※Zoom out Zoom inアプローチとは、Zoom out して10年〜20年の方向性を決め、Zoom inで1年未満の短期的な取り組みを実践しては方向性の軌道修正を行うアプローチです。
まとめ
目先の利益にとらわれず長期的にみても、人間・生物・地球が幸せになる経済活動を行うこと。
これがSDGsが求めている経営なのだということを学ばせてもらいました。本書の後半ではSDGsを取り入れた経営を行う手法も紹介されているので、興味のある方は、一読することをオススメします!
最後まで読んでいただき有難うございます。
ではでは、本日も素敵な一日になりますように。